バス旅というと、旅行会社のバスツアーや高速バスでの長距離旅行がまず連想されますが、しかし…もっと自由なバス旅ってないものでしょうか?そんな訳でここでは、もうひとつのバス旅の方法として、行けるところまで電車で移動し、駅から路線バスを利用する旅をご提案します。今回取り上げるのは岐阜と鳥取。運賃の安い路線バスで自由に気軽にめぐることの出来るスポットについて紹介します!
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歴史をめぐる、岐阜のバス旅
まずは、岐阜のバス旅から、テーマは「歴史をめぐる」です。岐阜には重要な歴史の舞台となった場所がたくさんあります。これらを路線バスで訪れてみましょう。
(1)岐阜城~斎藤道三、織田信長~
最初は岐阜城です。金華山(きんかざん)の頂上に鎌倉時代に築かれた城で、戦国時代には斎藤道三の居城でしたが、その後、織田信長が攻略して奪い取り、城主となりました。どちらも2019年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の重要な登場人物ですね。
現在の天守閣は昭和31年に復元されたもので、岐阜市のシンボルとして親しまれています。歴史ファンなら見逃せない展示物の数々、そして展望台から見渡す長良川や岐阜の街並み、恵那山、御嶽山、日本アルプス、伊勢湾などの雄大な眺めもおすすめです。
岐阜城は岐阜駅から少し離れた場所にありますので、バスで行くのがおすすめです。JR岐阜駅前には金色に輝く信長像が立っています。まずはこれを拝んでからJRまたは名鉄の駅から路線バスに乗り約15分で岐阜公園へ。
そこから金華山ロープウェーに乗り換えて約3分、山頂駅から8分ほど歩けば岐阜城に到着します。
(2)明智城とその周辺~明智光秀~
「麒麟がくる」といえばもう一人、主人公の明智光秀も忘れてはなりませんね。光秀ゆかりのスポットをめぐってみましょう。まずは光秀が生まれてから30年もの間住んだといわれる明智城跡。鎌倉時代に築城された城で、建物は現存していませんが、本丸跡や展望デッキなど、見学できる場所はいくつもありますので、当時をしのんでみてはいかがでしょうか。
落合砦は明智城の築城と同じ時期に出城として築かれた砦です。光秀が生まれた場所とされ、産湯を使ったといわれる井戸が残っています。また天龍寺には明智一族歴代の墓所があり、180cmもの高さで日本一大きいといわれる光秀の位牌も置かれています。
これらのスポットは可児(かに)市というところにあります。明智城跡を拠点に、歩いてめぐることが可能です。明智城跡へは名鉄広見線可児駅から路線バスで約11分の羽生ヶ丘5丁目バス停で降り、徒歩約3分です。
(3)馬籠宿~島崎藤村~
馬籠(まごめ)はJR中津川駅より路線バスで約30分のロケーションにあります。かつて、東海道につぐ江戸時代の主要街道であった中山道(なかせんどう)の宿場町が置かれていたところです。急な坂の両側に当時を思わせる建物が並ぶ風景はなかなかの見ものです。
馬籠は作家、島崎藤村が生まれた場所でもあります。代表作である小説「夜明け前」は江戸時代の終わりから明治時代にかけての馬籠を主な舞台とした作品です。藤村の生家跡には現在、記念館が建っており、原稿やゆかりの品などが展示されていますので、ここを中心に藤村にまつわる場所をめぐるのも楽しそうですね。
ところで馬籠は中津川市に位置します。中津川は栗の名産地のひとつです。中でもここの名物は「栗きんとん」です。中津川の街には20店にもおよぶ栗きんとんを売る店があります。栗の甘さをそのまま活かしたやさしい素朴な味が自慢です。
是非味わってみてください。
自然をめぐる、鳥取のバス旅
次は鳥取のバス旅で、テーマは「自然をめぐる」です。自然の宝庫である鳥取のおすすめスポットを路線バスで訪れてみましょう!
(1)鳥取砂丘
鳥取といえばまず思い浮かぶのが砂丘です。砂丘は鳥取駅からは少し離れた場所にありますので、路線バスを利用するのがおすすめです。JR鳥取駅から約20分で到着します。いざ砂丘に入ってみると、本当に見渡す限り砂ばかりで、大げさではなく砂漠と見間違えるようです。
しかも観光用のラクダの姿も見えたりして、ますます気分は高まります。歩いて横断すると30分くらいはかかりますが、ここは是非歩いてみていただきたいです。ところで、鳥取といえばスタバならぬ「すなば珈琲」が最近有名ですよね。
鳥取駅近くにも店がありますので、興味のある方は寄り道してみては。また、鳥取はカレーの消費量が日本一らしいです。カレー好きの方ならカレー屋めぐりも楽しいかもしれません。鳥取駅で買える名物はいろいろありますが、ちょっと変わったところで豆腐ちくわはいかがでしょうか。
鳥取産大豆を使った木綿豆腐と白身魚を7:3の割合で配合して作った、江戸時代から続く鳥取の庶民の食文化を受け継ぐユニークなちくわです。
(2)大山
大山(だいせん)といえば鳥取を代表する山ですね。主峰である弥山(みせん)は標高1709mで、中国地方の最高峰でもあります。大山の名前が初めて文献に現われるのは、奈良時代の「出雲国風土記」。実は大山は出雲の国引き神話とも関係が深い山なのです。
山岳仏教の霊場として、明治時代まで入山が禁止されていた大山。しかしそのおかげで、今でも大山には大自然が豊富に残っており、森林浴や自然観察を目的にたくさんの人が集まります。また大山は登山家の憧れの山とも言われています。
天気がよければ日本海や弓ヶ浜半島など雄大な風景を眺めることが出来ます。また、気軽な大山観光を考えるなら、登山ほどハードではないハイキングコースや、古道、ブナ林などを楽しむウォーキングコースもあるので、都会を離れて訪れてみるのも良いのではないでしょうか。
(3)境港
鳥取は、北側が海に面しています。海沿いの観光スポットのひとつとして挙げられるのが境港です。境港へ行くには、まず米子からJRで境港駅まで。JR境港駅からは市内を走る循環路線バスに乗って旅をするのはいかがでしょうか。
代表的な観光コースを回るバスもあり、運賃はどこまで行っても1回の乗車で100円ですので、まさにお気軽なバス旅にぴったりですね。おすすめスポットは例えば、夢みなと公園。
1997年に開催された「山陰・夢みなと博覧会」の跡地を境港の新たな観光拠点として整備した公園で、「日本海と大山がいちばん美しいみなと」が基本コンセプトです。公園の目玉のひとつが「夢みなとタワー」。高さ43mの展望台から日本海を360度臨むことができます。
大山や弓ヶ浜の眺めが見事です。
また、タワーの隣には、西日本最大級の海産物専門店である「境港さかなセンター」があります。境港で揚がる魚というと、シーズンにもよりますが松葉ガニやベニズワイガニ、白イカ、岩ガキなど、これら購入したものをその場で食べたり、隣接の料理店で調理してもらうことも出来ます。
また、境港といえば、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげる氏ゆかりの場所でもあります。有名な水木しげるロードはJR境港駅から続く約800mの通りに177体の妖怪ブロンズ像が並んでいます。
夜間にはライトアップされたり、妖怪の影絵が映し出されるなどこちらも見ものです。水木しげる記念館もありますので、ファンの方は是非立ち寄ってみてください。
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